890話ではビッグマムがゼウスを失ってしまい、
ダメージも受けながらもプロメテウスを従えて
ビッグマムはサニー号を追いかけて来ていました。
サンジ達のケーキが完成間近で、
いよいよビッグマムがウェディングケーキと対面するときが近づいて来ていますが、
それと同時並行で進んでいるのがルフィvsカタクリノ戦いです。
死闘が繰り広げられていますが、
こちらも決着の時が近づいてきています。
今回の戦いのポイントは「エフィカシー」です。
(今後のワンピースの物語を紐解いていくに当たり、
非常に重要な視点でもあります)
891話「信じられている」の考察を見ていきます。
ルフィvsカタクリの死闘が続く!新キャラ「フランペ」登場!
前話890話のあらすじはこちら。
→→890話のあらすじ考察はこちら
ミラーワールドの世界ではルフィとカタクリの戦いが繰り広げられています。
そのため、ビッグマム傘下の島の鏡が次々と割れていってます。
鏡が割れているというのは、それだけ2人の死闘が続いているということでもありますが、
実際のところはルフィが一方的にボコボコにされているので、
鏡が割れているのはルフィが吹っ飛んだ勢いで割れているということです。
ほとんどルフィはカタクリにダメージを与えることができておらず、
むしろルフィが長時間殴られ続けているので、
立っている事自体がある意味で奇跡とも言えると思います。
(もしくはカタクリの攻撃によるダメージが少ないか。)
そして、さらにルフィ達を追い詰める展開も・・・
それが、CP-0の諜報部員「歓楽街の女王」ことステューシーの一言。
「大爆発の原因はソレよ」
ソレというのは、玉手箱を持ってきたのが麦わらのルフィであることを意味しています。
こちらがステューシー。
つまり、他の記者達に麦わらのルフィが結婚式の爆発を起こした張本人だと暴露したのです。
これにより、自分のケーキを破壊したのは
麦わらのルフィだと知ることにもなり、
ルフィを逃したとしても一生追いかけることにもなりかねません。
当初は玉手箱が世界政府にとって貴重な宝になるので
持って帰ろうとしていましたが、
結局は爆発してしまったので、タダでは帰らないのがCP-0です。
きっちり麦わらのルフィを仕留めてから、
それを手土産にして帰ろうとしているのでしょう。
一方で、ミラーワールドでは、ルフィの事を狙うスナイパーも
全くと言っていいほどルフィをとらえることができません。
単にスピードが早いからルフィが逃げれてる、
と見えるかもしれませんが、注目はルフィが見聞色の覇気に目覚めているところです。
おそらく、ルフィはカタクリにボコられて、朦朧としながらも、
徐々に覚醒に近づいていると思われます。
スナイパーの矢の動きも覇気で感じているので、
それで避けれているのではないでしょうか。
そして、初登場のフランペですが、
キングオブ妹になる女と豪語しています。
41人の兄のうち、40人がかわいい、
と絶賛している妹の中の妹、フランペ。
※うち1人はカタクリと思われます。
また、38人の妹全員からも憧れているというので、
かなりセルフイメージは高めでしょう(笑)
そんなフランペが最も憧れているのが、
カタクリだというのです。
カタクリは
完璧であり、どんなことが起きても
微動だにせずに何事もこなすことができる
完璧な兄、というイメージのようですね。
フランペはそんな兄が苦戦している姿をみて、
少し幻滅しています。
話は少し脱線しますが、こんな妹いたら”狂気”でしかないです。
なぜなら、自分のことを「他の妹から憧れられている」と紹介してしまう
痛い奴なんて頭がどうかしているとしか思えないからです。
そんな奴に対して、可愛いと言って
「ベスト妹ーティスト」に選ぶ40人の兄達も狂気です。
こんな奴選ぶんじゃねーよ、って誰しも思う所でもありますが、
投票してしまっているのは大分イタイ人たちの集まりです。
(もしくはフランペが単に1人で言っているだけの可能性もありますが)
ルフィとカタクリの戦いを見ていきましょう。
ルフィvsカタクリの結末とは?
長時間に及ぶルフィとカタクリの戦いですが、
一方的にルフィがカタクリにボコボコにされています。
これはなぜかというと、カタクリの見聞色の覇気で、
ルフィが攻撃をすることすら許されていない状況だからです。
先読みされてしまい、
攻撃する前に先にカタクリの方から先手を打たれて、
何もできずにボコボコに殴られっぱなしの状況です。
カタクリが攻撃を仕掛けようとしても、
そこでルフィが一瞬避けようとするものの、
さらにそこからカタクリが攻撃をして、ルフィが吹っ飛んでしまってます。
(これで鏡が割れていってるんですね)
ただ、ルフィは一切諦めずに
目が全く死んでいません。
これがルフィがカタクリに勝る精神力だと思います。
今回のエフィカシーに繋がるところです。
ルフィがカタクリに何度も何度も殴られて、
ボコボコにされて、カタクリにとって最も屈辱とされる、
「地面に横たわる」ことをしてでも、
ルフィは全くそんなことは気にせずに向かっていきます。
すると、レイリーとの会話を思い出します。
「攻撃には意志がある」
「気配がある」
「闇雲に手を出すな」
自分が攻撃をしようとする瞬間に、
そこで意志が発生するために、
その気配を読み取られてしまうのです。
それを見聞色の覇気で読み取られてしまい、
未来を先読みされてしまいます。
なので、その気配を消す必要があります。
ルフィがその感覚を体得してきたためか、
カタクリとの攻撃もほぼ互角となってきました。
あとは、ルフィが精度を上げていけば、
カタクリと同等か、それ以上の未来を先読みすることが可能となるのです。
ルフィがすごいのが、ここからです。
カカオ島に1時という計画がカタクリ達にバレてしまっているため、
サンジ達も先回りされてしまっているというのです。
絶体絶命のピンチでもあり、それを救うとすればルフィですが、
カタクリとの戦いに勝たなければ鏡の世界から飛び出すこともできません。
しかし、ルフィがここで驚くべき発言をします。
「おれは必ず鏡の中から現れる」
ルフィは自分の未来を確実にイメージして思い描いているのです。
未来からの時間感覚で、それを確定させているために、
数秒先しか読めないカタクリには「?」となっています。
「他人事のような発言はなんだ?」
とカタクリは言っていますが、
それも無理はありません。
ルフィはもっと先の世界を見ているのです。
つまり、自分がカタクリを倒して、
見聞色の覇気も上回るようにもなり、
外の世界になんとか鏡の世界から抜け出している、
という確定した未来を思い描いてるのです。
そうすることで、そこに近づいていくことができるので、
どんなに殴られていたとしても、
それがそこに至るために通過儀礼にしか思ってないのです。
さらに、ルフィがどうしてそう思えるのか?
ということです。
これが今回最も重要なポイントです。
そこに至るにはサンジ側の話も重要になってきます。
サンジがついにウェディングケーキ完成!
サンジ、プリン、シフォン3人で完成させたウェディングケーキですが、
船に乗っている人間全員が喜んでいます。
「わああああ!」
と完成を上げている人から、
ベッジ達も「毒も入れなくていい」と言ってしまうくらい、
見事な作りになっています。
いっそ食べさせて欲しい、と思うくらい。
敵を殺そうとする発想すら吹っ飛ばす程の、
見事なケーキの出来に皆驚いていることでしょう。
コックたちも倒れていき、
プリンも寝落ちして、
他の人間達も皆疲れ果ててしまってます。
どうしてこのケーキを作ることができたのか?
というと、もちろんサンジの腕がすごいのも理由としてありますが、
一番はルフィが確定した未来を思い描けているのと同様、
2人とも確信したものがあるからです。
それは何かというと・・・
信じられている
という確信です。
2人とも自分は周囲の人間に心のそこから
信頼されている、という確信をしています。
だからこそ、自分の役割を全うでき、
だからこそ、カタクリにボコボコにされても何度も立ち上がることができ、
だからこそ、無理難題のケーキでも短時間で作成することができたのです。
ちなみに、エフィカシーという用語がありますが、
簡単に説明すると自分の自分に対する評価、
ということです。
このエフィカシーが低い人間は、
自分のセルフイメージが下がり、
他人に支配される生き方、洗脳される生き方を選択してしまいます。
自分がこうなりたい、という願いに対して、
自分の評価、が重要になってきますが、
このエフィカシーが低いとルフィとサンジのような、
信じられている、という安心感を持つことは到底できません。
信じられていると思えるのは、
自分のエフィカシーが高いから、
他人にどう思われようとも全く関係ありません。
だからこそ、そういう人間同士が一緒にいれば、
信頼できる仲になるに決まってますし、
そこに一切の疑問が生じません。
普通の人はエフィカシーが低いので、
他人の評価ばかりを気にする生き方になります。
自分は嫌われてないかな?
自分はどうしていつもうまくいかないのかな?
どうして自分でこんなにダメなのかな?
なんでこんなに心がざわざわするのか?
常に自分、自分、自分・・・
自分のことばかり考えて相手のこと、周囲のことなど一切目がいきません。
そうなると、他人から信頼されている、
という発想すらなくなってきます。
ルフィとサンジはこのエフィカシーが圧倒的に高いがために、
お互いの絆が強固となっているので、
自分が本来出るであろう実力の何倍もの力を発揮することができます。
そのため、ルフィは何時間もボコボコにされても、
徐々に見聞色の覇気を高めていけますし、
サンジの方もウェディングケーキをギリギリになって完成させることができたのです。
最後に、ビッグマムが自分の魂をプロメテウスにウツして、
サニー号を襲おうとしていますが、
「いい香り・・・」
というセリフと共に、891話は終了します。
これはウェディングケーキの香りを嗅ぎつけた瞬間でもあります。
このタイミングでケーキの香りを嗅ぎつけたので、
おそらく、ベッジの船が近くに来ていたものと思われます。
これでビッグマムとの和解へようやく近づいていくものと思われますが、
果たしてこのまま無事に終わるのでしょうか。
ルフィとカタクリの戦いも終盤に近づいていってますが、
2人を決定的に分かつものが、このエフィカシーです。
そして、お互いの信頼です。
この絆がある海賊団とそうでない海賊団がいた場合、
新世界で生き残れるのは明白だと思われます。
次回、次号の展開を考察していきます。
次号、892話のあらすじはこちら。
→892話「強敵認定」の考察はこちら