ワンピースの扉絵から本編に関わる様になった人魚のケイミーはデザイナー志望で、ある人物というかペットのヒトデに弟子入りしている。
そのヒトデこそが、勢いで人間の言葉を喋れるようになった単なる脇役にしては濃いキャラクターである“ヒトデのパッパグ”。
今回は彼の考察を進めたい。
世界的に広まったクリミナルデザイン
クリミナルとはそもそも、英語で“犯人”と言う意味だ。更に日本では犯人の事を“ホシ”と呼んでいる。
それを掛けて、“クリミナルデザイン”というロゴで流通し、大成功を収めたのがパッパグだ。
彼はギョバリーヒルズと呼ばれるアメリカにあるビバリーヒルズをもじった魚人島でも一等地と呼ばれる住宅地で豪邸を建てている。
あくまでデザイナー志望であるケイミーのペットという割には、世界的に有名なブランドデザイナーというアンバランスな二つの肩書を持つパッパグ。
しかし、問題は彼が手掛けたクリミナルデザインはそもそも誰が流行を発したのか?
魚人島は世界政府の加盟国の中でも、差別されている国の筈
まず、パッパグは魚人島リュウグウ王国に33年前に生まれたヒトデだ。
そして、リュウグウ王国は200年前に世界政府に差別撤廃を条件に世界政府に加盟したが、差別自体は200年前に条約を結んでも関係なく、タコの魚人“はっちゃん”を見た瞬間、“気持ち悪い”と一刀両断。
はっちゃんはその場に居ただけで気持ち悪がられる立場であった。
つまり、条約を結んだにも関わらず、差別は無くなっていないし、ヒューマンショップオークションで人魚や魚人は人身売買されているのだ。
リュウグウ王国は世界政府に加盟しているにも関わらず、条約の効力が発揮されていないという訳だ。
人間ではないヒトデのパッパグは異形である
さて、魚人のはっちゃんが気持ち悪がられた。では、パッパグは魚人ではないが、ヒトデである。
だが、単なるヒトデでなく、自由に喋れて地上でも関係なく移動している。
どうだろうか?パッパグに悪いが、ヒトデが喋って地上で歩いていれば、気持ち悪がれても全く可笑しくはないではないか?
そう、異形の者は弾かれるというが、まさしく人間ではないパッパグは異形であり弾かれても可笑しくない。
パッパグもチョッパーと類似点
チョッパーはヒトヒトの実を食べる前から、青っ鼻であった為に群れから孤立していた。
なれば、普通のヒトデは喋らないし、地上で移動なんて出来ない訳だから、パッパグも群れというか海洋生物の括りから一脱してしまった存在だった筈だ。
彼は頼んだわけではないのに、ギターを弾いたりするなど結構陽気な性格だが、もしかしたら好かれやすい様な人格を形成したのではないだろうか?
人間と人魚では差別意識の強さが違う
チョッパーはヒトヒトの実を食べた以降は、人間の仲間に入れて貰おうと近付いた。だが、結果は失敗。
ドクターヒルルクに出会うまでは、発砲され怪我を負ってしまった。
対して、パッパグはどうだろうか?
ヒトデの群れがあるかは分からないが、パッパグと同じような喋るヒトデキャラが登場していないので、彼と同じ喋るヒトデの友達はいないのだろう。
つまり、パッパグにはヒトデの知り合いはいないともいえる。
であるとすれば、パッパグはヒトデ以外のコミュニティーで暮らそうと考える。
チョッパーの様に人間に迫害されるだろうか?
だが、迫害されなかったのは“人魚”だったからであろう。人魚自体、人間+水棲生物が組み合わさった種族であり、魚と話せる事が出来る種族でもある。
それに、ヒトデが喋れるにしても、そもそも魚と喋れる人魚族なので、驚かれる事はなかったので、迫害を受けなかったのだろう。
これこそがトナカイと人間に迫害されたチョッパーと人魚に迫害されなかったパッパグの違いだ。
パッパグはケイミーに拾われた
人魚には水棲生物をペットして飼っており、しらほしはサメであるメガロを大事にしている。
故にケイミーはパッパグを物珍しく思い、ペットとして飼っているのだ。パッパグは理由あって「飼われてんのよ。」といい、「ケイミーはいつもハマグリをくれる。」とも言っている。ナミには「餌ね。」と言われていた。
パッパグのクリミナルデザインはケイミーのペットになる前から、有名だった
ケイミーはパッパグをペットで私の師匠と言っているので、もしかしたらケイミーはパッパグを世界的なデザイナーと知ったうえでペットとして飼っている可能性が高いのだ。
何故なら、上記の様にパッパグは自身が迫害を受けなかったコミュニティーであるリュウグウ王国でデザイナーとして活動出来、自分がヒトデである事からクリミナルデザインに行き着く事が出来たのであろう。
更にケイミーは2年前の16歳の頃からパッパグと行動を共にしているので、それ以前から行動を共にしていたと考えられる。
パッパグがクリミナルデザインを世界的に広められたのは、恐らくオトヒメ王妃のおかげ?
ケイミーがヒトデのパッパグを世界的有名なデザイナーと見込んで、ペットとして飼いながら、デザイナーの勉強をし始めたのは、今から彼女が8歳から18歳になるまでの10年の間といっても言ってもいいだろう。
その10年前と言えば、オトヒメ王妃が世界貴族からの賛同書を手に入れた年だ。
言うなれば、人間と魚人族と人魚族の交流がオトヒメ王妃の死からなんとか交流が活発になれたと考えられる。
言うなれば、パッパグが23歳から31歳の間までクリミナルデザインを発表し、魚人島に訪れた海賊か人間達に広まったのではないだろうか?
まとめ
パッパグはある意味ではどの種族よりも珍しいチョッパーと同じような珍生物だろう。
だが、生まれた環境が迫害されないコミュニティーであり、尚且つオトヒメ王妃のおかげで、人間との交流が活発になりギョバリーヒルズで豪邸を建てれる様になった。
実力だけでなく、運も身に着けたヒトデなのだろう。