花のヒョウ五郎の行く末
ある意味、赤鞘九人男よりも兎丼採掘場で主人公ルフィが捕まっていたのもあって、彼の境遇に同情するといえるでしょう。
そもそも、このヒョウ五郎親分は、花の街で大剣客と言われた人物で、仁義を重んじる男でした。
その為、おでんも彼を慕っており、おでん晩年5年間は彼の家でお茶を飲みながら、話をしていました。
ところが、ヒョウ五郎の妻を殺したカイドウとオロチ一派に激怒したヒョウ五郎は報復に出ますが、返り討ちに逢い、20年間あの大柄な体が小さな体にまで縮小する程に老いてしまいました。
なので、このおでんの仇打ち自体に、彼が一番思いが強いといえます。そして同時に、ここが彼の人生最期の舞台になるという事でしょう。
花のヒョウ五郎の晴れ舞台
ワノ国は、日本をモデルにしたこともあり、敵側で外海出身のカイドウもこの様に言っています。
死は人間の完成だという事です。つまり死がその人間を現す形というのが、奴の考えてきた夢でした。
実際に、日本は散っていく儚いモノを美しいと考えており、桜が散る事や別れの歌、夕焼けの風景、ノスタルジックな事柄にときめく体質といっても過言ではありません。
そう考えると、今回のヒョウ五郎はかなり突き詰めて、終わりに向かっており、ここで死んでも本望と言わんばかりです。
老兵というモノ
基本的に、管理人としては、ワンピースの世界の戦う老人たちは、その死に場所を戦いの場所で見つけてしまうと考えました。
特に、代表的なのは、この二人、白ひげとゼファーです。
白ひげはそもそも、ロジャーと会う前は病気はしていませんでしたが、エースと会った時から既にチューブを差し込まないといけない体になっていました。
早い話、怪物白ひげと言われていても、彼曰く心臓一つ一人の人間に過ぎないという事でした。
更に、白ひげがマリンフォード頂上戦争でそもそもモビーディック号から降りた時点で死ぬつもりだったといえます。
そう、スクアードの一刺しが白ひげなりのケジメだったと思います。スクアードの怒りは最もであり、避けようと思えば避けれた攻撃を避けなかった。
このスクアードの一刺しは、読者の誰が見ても、白ひげはマリンフォード頂上戦争で死ぬだろうと予感させたと言えます。
そして、直接白ひげを殺したのは黒ひげになってしまいました。なんともやるせない気持ちです。
ゼファーに関して言えば、白ひげと同様に肺を患っており、吸入器を逐一吸わないとまともに動けず、眩暈を伴う程でした。
しかし、サード島でのルフィとの一騎打ちの際に、吸入器を粉々に握り潰し、ルフィとタイマンで戦います。
このゼファーとの戦いは、ワンピースの映画で一番、始まりから決着まで誰にも見られることなかった戦いで、ゼファーはこの戦いを始める前から、人生の決着地点にルフィを選んだと言ってもいいのではないでしょうか?
ヒョウ五郎のいないワノ国
ヒョウ五郎は、いうなれば昔のワノ国を知りますが、彼は自分の役目を終えたと思っていると思います。
何故なら、自分の持てるべき事を全てやり遂げたのですから。