927話までは将軍「オロチ」が登場しました。
おそらく、その能力がヤマタノオロチと関係するものであることが、
ほぼ確定してます。
928話では、
・ルフィが雷ぞうと脱獄を打ち合わせる!
・濡れ髪のカリブーが再登場!
・キッドの左腕を失った真相が明らかに!今後はどう関わるのか?
・花魁小紫が登場!腹黒さが圧巻!
・モモの助の妹、日和の正体は一体!?
についてお伝えしていきます。
ルフィと雷ぞうが脱獄を企てて…
前回までのあらすじはこちら。
→927話で将軍オロチし、能力が明らかに!
次回の考察はこちら。
ルフィがキッドと共に、看守長ドボンを倒した翌日。
ワノ国「鬼丼」では、囚人たちによる採掘作業が行われていた。
その様はまるで何事もなかったかのようで、
囚人たちが鶴で岩を砕く音が響き渡っている。
しかし、昨日のルフィ達の活躍は獄舎中で噂となっており、
自分たち思いを代弁してくれたようなルフィ達の活躍を看守たちに聞こえぬよう口にしていた。
そうした中、採石場では当のルフィも黙々と作業にあたっており、
岩を運ぶため通りすがる囚人たちはそんなルフィを口々に褒めたたえ言葉をかけるが、
ルフィはこれを煙たがる。
すると、そこへ一人の老人が近づきルフィを呼んだ。
昨日ルフィが救った古参囚人ヒョウじいだ。
「本当に昨日はてまえなんぞの命をお救いいただきまことにありがとう存じやした」
自分に気が付き振り向いたルフィに、ヒョウじいは小声で礼を言う。
これにルフィは、笑い声と共に「よかったな」と言っては、
「どうせもう長かねェが」と口にし、「ついでだったので気にするな」と言うと、
徐に自分のズボンのポケットに手を突っ込んでは何かを探し出した。
そこから両手にたくさんのメシの引換券で、それを取り出しヒョウじいに差し出す。
そんなルフィにヒョウじいは驚くも、
「た…大切に使いやす……!!」とありがたそうにこれを受け取っては、
申し訳なさそうに何度も頭を下げその場を後にした。
ルフィは、そうしたヒョウじいを笑顔で見送る。
するとそこへ、突如雷ぞうが煙と共に姿を現した。
ルフィは早速「どうだった?」と期待とともに問いかける。
だが、雷ゾウの返答は期待とは違うもので、
待たせていることを詫びては「手錠の鍵」を見つけたものの番人に加え
海楼石の箱にしまわれており、管理が厳重でもう少し待つように言う。
その上で、必ず手に入れると約束し姿を消した。
その直後、そこへ今度はカリブー海賊団の濡れ髪のカリブーがやってくる。
過去にルフィの首を狙うも失敗した男だ。
ルフィがヒョウじいにメシの引換券を渡すのを遠巻きに見ており、
自分にもくれるよう催促しに来たのだ。
対し、ルフィはそんなカリブーの要求をあっさり断る。
こちらカリブー。
しかし、カリブーもこのくらいで諦めるはずもなく、
「自分たちの手にはめられている海楼石の錠は自分たちが働くことができるよう
弱く作られているらしいが自分は十分に動けない」と、
ルフィの同情を誘っては「キビだんごくれたら子分になる」と申し出る。
続けて、「ルフィよりも長くいるので知ってることも多い」と、
自分を仲間にする利点を挙げた。
さらに、ルフィに「脱獄するんだろ?」と言っては、何でもするから連れてってくれるよう頼み、
「自分と組めば怖いものなし」となんとかルフィを説得しようとするカリブー。
そうしたカリブーに、ルフィは「ギザ男と組めばいいだろ」と迷惑そうに返す。
これにカリブーは、キッドのことを「大した評判はたっていない」としては、
「キッドがビッグ・マムに挑むもその部下に腕をもがれて逃げだした」という噂があることを、ルフィに話した。
このように、噂を理由にキッドを「大した評判はたっていない」と言うカリブーに、
ルフィは呆れた様子でおり、ルフィの振り下ろしたつるによって岩が崩れ落ちた。
「ガコン!!」
すると、ここで突如カリブーの目の前に長い巨大な棒が付きたてられる。
これに驚いたカリブーが目を丸くすると、キッド本人がやってきた。
あらぬ噂に流されているカリブーにキッドは、
「ビッグ・マムの首を狙ったことはなく、
「“将星”の1人を手負いにさせ奪うべきものを奪っただけ」と、淡々と話しだす。
続けて、「左手は「赤髪海賊団」との抗争で失った」としては、
「ほかに質問は?」とカリブーを鋭い眼光で見下ろすと、カリブーがこれに震えあがった。
「そしてこれから!!カイドウを討ち名を上げるのがおれだ!!!」
「それはおれだ!!!」
そんなカリブーをよそにキッドがルフィに噛みつくと、ルフィもこれに応戦。
互いに睨みあう。
その間では、カリブーが二人の迫力に圧倒され目を白黒させていた。
小紫が登場!狙われる理由とその正体について…
「小紫太夫の~~~~」
「お練~~~り~~~~」
こうしてカリブーを間に挟みキッドとルフィが言い争っている頃、「花の都」の「オロチ城」へと続く道では小紫の花魁道中がゆっくりとその歩を進めていた。
花魁道中の行く先には、それを待ち焦がれた住人たちがおり、期待の込めた視線を向けている。
そうして徐々に周りが人々の活気でにぎわっていく中、
サンジやフランキーそしてウソップも、ロビンの踊りの師匠から聞いた小紫の美しさへの期待に胸を膨らませていた。
人々の歓声に包まれ、花魁道中がこちらへ近づいてくる。
だが、その少し先には不審な三人の男が立っており、その手には包丁を持っていた。
そんな彼らの存在を、フランキーだけが目の端に捕らえては首をかしげる。
「殺すんだあの女を…!」
「都を追われる…もう終わりだ」
「どうせ死ぬなら道連れに……!!」
このように明らかに不審な雰囲気を纏う三人に、
「なんかやべーのいるぞ」とフランキーが口を開いた。
近づく花魁に、歓声を浴びせ続ける人々。
ここで、先導を務める男衆の1人が三人の存在に気が付く。
「小紫~~~~!!!」
次の瞬間、三人の男は手にある包丁の切っ先を花魁道中に向け走りだし襲い掛かった。
これに先導の男は、すかさず薙刀で払い男たちを一掃する。
「花魁に近づくな!!」
そう言っては、男たちに薙刀を向ける先導の男。
直後、花魁を襲撃した男たちは先導の男に敗れ地面に倒れており、花魁小紫がゆっくりとその横を通り過ぎていった。
花魁を襲撃した男の1人である老人は、
花魁へ必死に顔を上げその名を口にする。
その脳裏には、小紫との楽しくとも何ともつらい記憶がよみがえっていた。
それはある日のこと。
「わちきはずっと…」
「ぬしと一緒に居とうおんす」
小紫のこの言葉に驚く老人。
対し、そんな老人に小紫は、「このままオロチ様の言いなりになるくらいなら…
いっそぬしに身請けして貰いとおすが」と、泣きながらに言葉を続ける。
一方で、自分の身請け金は途方もなく高いゆえかなわぬ夢であること、
また「こんな話さえ…もしオロチ様の耳に入ったら…」と嘆く小紫。
すると、これに老人は「弱気を申すな」としては、
「お前がそれを望むなら男「びん豪」やって見せるとも!!」と、
小紫の両肩に手を乗せては目を見つめそう言い切った。
「ほんだすか?」
「それがウソでも嬉しおす……」
びん豪のこの言葉に、嬉しそうに返す小紫であった。
「…こんな大金…!!見た事ありんせん」
時は経ち、びん豪は小紫の目の前に大判の束を差し出す。
小紫を遊郭から身請けするための前金だ。
これに小紫は早速、それを帳簿につけようと申し出るが、
びん豪はそれを「ほれた女を疑うバカがどこにおる」としては、
口約束で十分だと拒否したのであった。
更に月日が経ち桜が咲く頃、
びん豪は新たに大判の束を小紫のもとへ持ってくる。
その大金に、小紫は驚き手で口元を覆った。
更には、蔵を売り次は家族をと、次々と自身の財産などを売り払い小紫の身請け金を工面していくびん豪。
「薬代など無駄なだけ」としては、病に蝕まれる自身の体すら捨て置き、
心配する小紫に向かい「何でもない目的を果たせばわしはこの世で一番の幸せ者になれるんだからな!!」と、
笑顔で言う。
「あちきも…ぬしと共に暮らす日を…毎夜夢に見ておりんす…」
そんなびん豪に小紫が照れた様子で顔を覆うと、
びん豪も同じく照れた様子で小紫の名を呼ぶのであった。
そしてついに、この日がやってきた。
びん豪の最後の財産である家を売り払い、やっとのことで工面した500金。
「裸一貫二人で自由になろうぞ」
「これでお前を身請けできるぞ小紫!!」
そう言っては、小紫の待つ遊郭へ意気揚々と向かう。
しかし、びん豪が遊郭に到着すると、小紫は出迎えてくれなかった。
代わりに出て来た番頭によると、小紫は病にかかっており
「荷物だけ確かに受け取るように」と言付かっていると言う。
これにびん豪は「それはいかん」とすれば、
先ほど工面した500金を手渡しその場を後にするのであった。
数日後、今度こそ小紫を身請けするべく再度びん豪が廓を訪れる。
「小紫!!お前を迎えに来たぞ!!」
「遊郭から出してやる!!わしと共に暮らそう~~~~!!!」
待ち望んでいた瞬間を心待ちに、意気揚々と言うびん豪。
だが、ここで遊郭を守る番人の1人が大笑いをする。
「あーーーっはっはっはっはっはっは!!」
「本当にやりやがったな!!すげーぞこの色ボケジジイ!!」
片や、びん豪はそうした番人の反応の意味を呑み込めずにおり、首を傾げては「笑ってないで小紫を呼んで来い」と口にする。
そんなびん豪に番人は「夢見てんじゃねェ」と笑いながらに言い、
「身請け金はあるのか?」と番人がびん豪に尋ねるとその横では女も笑っていた。
対し、びん豪は番人の問いに「勿論」としては、「小紫に預けてある」と答える。
「あらびん豪さん」
すると、ここで待ち望んでいた小紫が自身の部屋のふすまを開け、
顔を出す。
そんな小紫にびん蔵は安どした様子で、番人たちに何とか言ってやってほしいと頼んだ。
しかし、小紫の口から出た言葉は思いもよらないものであった。
「―――あのお金は」
「あちきにくれるって言ったでしょ?」
「え」
小紫の裏切り、いや本性が現れた瞬間であった。
その言葉に、固まるびん豪。
「全部使っちまったよ」
「ありがとう」
番人含め、その場にいた人々の笑い声が響き渡る。
「このジジイ本気で小紫さんにホレられてたと思ってたんだな!!」
さらにびん豪をバカにする声が聞こえて来ると、
小紫の部屋から一人の男が顔を出した。
その姿に、びん豪の表情は驚きの色に染まる。
小紫の部屋から姿を現したのは、なんと居眠り狂死郎だった。
「誰だあの老いぼれは…」と小紫に尋ねては、
鋭く冷めた目でびん豪を見やる狂死郎。
その奥では、小紫が笑っている。
続けて、「お前か、小紫に付きまとっていたジジイとは」と狂死郎が口にすると、
びん豪は心外だといった様子で「冗談だろう」と言っては、
自分は本気であったことやすべてを投げうち全てを失ったことを小紫に訴えた。
「お前の為に!!すべてを失ったんだぞォ!!!」
そう泣き叫び、地べたに這いつくばるびん豪だが、
遊郭の人々はさも滑稽だと言うかのように笑い飛ばしてしまう。
また、遊郭の男衆は手の指の骨を鳴らしつつ、
「これで何人目だ」と言っては「店先で泣かれると邪魔だ」とびん豪を追い出すため、
びん豪に殴る蹴るの暴行を加えた。
これにはびん豪も耐え切れず、泣く泣く小紫のいる遊郭を後にするのであった…。
時は戻り、華やかなお囃子と人々の歓声に包まれ優雅にその歩を進める小紫。
その足元には、先導に討たれ倒れたびん豪がいた。
三枚歯の高下駄を履き見おろすように微笑む小紫に、老若男女すべての人々がその目を奪われる。
もちろん付き添いの禿の中には、あのおトコの姿も。
そうした中、小紫の花魁道中もついにサンジ達の目の前にやってきた。
その小紫のあまりの美しさに、サンジやフランキーまたウソップも圧倒され叫び声をあげる。
その周囲では、小紫の美しさと煌びやかさにある者は目を眩ませ、
ある者はそのまばゆさに耐えきれず自身の目を手で覆った。
小紫の琴を手に持つおトコもその足元で笑っており、そのすぐ後ろでは小紫が高下駄で八文字を描いている。
更にその少し後方では、先ほど小紫を襲撃した男たちびん豪含む三人が、恨めしそうに小紫を見つめていた。
「家も家族もすべて金に換えた!!」
「預けた金を返せ!!泥棒女ァ!!!」
男たちの1人が小紫に向かいこのような罵声を浴びせると、
小紫は「くれたものを返せとは…見苦しいこと極まりなし…」と口を開く。
「わちきには男など金を運ぶ犬……!!」
「無くなれば価値はなし」
「貧乏人は嫌いでありんす」
軽く振り返っては口元を扇子で隠しこのように言う小紫に、
男たち三人は衝撃を受けさらに泣き叫んだ。
「もう逃がさんぞお前達」
更には、無情にも男たちを捕らえ「花の都」から追放するため、
同心が十手を手に持ちやってくる。
「金を生まぬものに花の都に住む権利はない」としては、
「オロチ将軍の名において追放する」と男たちに言い渡す同心たちに対し、
男たちは「都以外の生活など人とは言えぬ」と抵抗を試みる。
だが、男たちの抵抗むなしくとらえられてしまい、
男たちの1人が小紫に向かい「小紫地獄へ落ちろと」と恨みと共に悪態をつくのであった。
そうした中、小紫太夫の花魁道中はついに「オロチ城」に到着する。
「オロチ城」の城前では、開門を求める男衆の声が響き渡っていた。
こうして、小紫太夫に翻弄された男たちが同心に捕らえられた頃、
九里の「編笠村」ではモモの助が剣の稽古に励んでいた。
その横ではお玉が座っており、稽古中のモモの助と言葉を交わしている。
自分のことを「もも君」と呼ぶお玉に「無礼だ」と注意するが、
変わらず「もも君」と呼ぶお玉に諦めるモモの助。
次いで、「妹がいるのか」というお玉の問いかけに「いる」としては、
「生きていれば26のとしになる」と答えた。
また、「母の死を見た者はいても日和が死んだとは誰からも聞いておらぬ」、
「だからどこかで必ず生きていると拙者は信じておる」とモモの助が続けると、
お玉は「会えるといいでやんすね」と言葉をかけた。
しかし、モモの助の返答はそれとは違ったものであった。
「いや会わぬ」
モモの助のその言葉を、不思議そうに聞くお玉。
「日和のすじょうが知れたら必ずオロチに狙われる!!」
「会うのは戦に勝った時のみでござる!!!」
その決心は妹を思うが故のものであり、剣の撃ち込み稽古により一層力を入れさせ、
モモの助の幼い眼差しを決心のこもったものへと変えさせるのであった。
国の命運は元より、愛する妹との再会をかけた決戦の時はすぐそこまで来ている。
929話に続く!
モモの助の妹、日和の正体は一体だれなのか?
未だに明らかになっていない、モモの助の妹、日和。
すでに何人か登場してきていますが、
このタイミングでわかるのは、今回のタイトル「花魁小紫」にあると思います。
つまり、モモの助の妹である日和は現代に残ったままで、
なんとか生き延びてきたのだと思われます。
となれば、このタイミングで分かる通り、
日和=小紫
ということでしょう。
小紫の過去が描かれたのは、
花魁になって以降で、お金を持っていない人間からだまし取ることで、
生きながらえています。
つまり、どうしてそのような生き方になったのか、
過去編が描かれる日が来るということです。
これは、元将軍おでんがオロチやカイドウ達と戦ったシーンを描くときに、
描かれると思われます。
その時、母親トキがモモの助、日和を前にして、
二人をかばって死亡したと思われますが、
日和だけ未来に飛ばされずにその場に残されたはずです。
そこから、花魁になり、
トップの座にまで上り詰めたのではないかと想像していますが、
だとすれば、オロチやカイドウへの「復讐」を持っているのは間違いないでしょう。