若い二人の飛び六砲
飛び六砲は、フーズフーが一番年上の四十代ですが、若いのはページワンと次に若い姉のウルティです。
この二人、まだ二十代前半もあって、十代のノリを残しており、どちらかいうと年齢よりも若い印象です。
もっと言えば、ウルティとページワンに限れば、フーズフーとササキと違い、他所の海賊団の船長ではなく、元から百獣海賊団に居たように感じられるのです。
今回はそのことについて考察します。
ドンキホーテファミリーのベビー5とバッファローと被る
この二人、ウルティとページワンは年齢的に、上記のドンキホーテファミリーのベビー5とバッファローと想起させます。
そもそもこの二人は、ドンキホーテファミリーに入ってきた孤児でした。
ドンキホーテファミリーはコラソンが子供嫌いというフリをして、次世代の海賊にならない様に、道を外さない様に痛い目に合わして追い出していました。
この二人は、コラソンの迫害を受けきり、そのままファミリーに居ついたのです。そう考えると、子供ながらこの二人は生きる為に必死だったと言えます。
そして、ベビー5とバッファローは雑用をこなしながら、年上の大人たちに混ざり、ドンキホーテファミリーに貢献していきました。
特にベビー5は、初登場時、結婚相手を殺したドフラミンゴを殺そうとする非常に危ない女でしたが、その理由はベビー5が断れない女であることと迫るだけの美貌を兼ね備えた美女であり、ベビー5自身と大金を手に入れようとした悪党だったからです。
なので、ドフラミンゴにも消すなりの理由があったと言えます。
問題は、その後のベビー5の対応であり、ドフラミンゴに怒っていましたが、根は彼女なりに彼を慕っている場面があったのです。
そう、ドフラミンゴがピーカを笑った部下を制裁しようとした際に、代わりに自分が制裁し、死体だけでも残したというところです。
つまり、ベビー5は口では殺してやるといいつつも、ドンキホーテファミリーとしての幹部の自覚と長年所属した組織への恩があったという事です。
しかし、彼女は必要とされることに無上の喜びを感じる女でして、サイに嫁ぎ、愛妻弁当を作っているようです。というか、普通にドンキホーテファミリーを裏切っています。正直、ベビー5に関して言えば、ロー以外のドンキホーテファミリーの中で唯一幽閉されていないキャラなのです。
ウルティとベビー5
さて、このベビー5のドフラミンゴに愛憎があるも彼女なりに忠義があったのは、同じ若い女であるウルティに当てはまります。
ウルティは、ページワンを溺愛しており、自分をおぶれだの弟にわがままを言っています。
しかし、もう一つ、ウルティは別のある人物をしたっているシーンがあります。そう、カイドウその人です。
ウルティは飛び六砲の中で、ブラックマリアと同様に彼女なりにカイドウを慕っているのです。
その様は、ヤマトよりもむしろ、こっちが娘というようなやりとりがあるのです。
要するに、ドフラミンゴがベビー5を妹として見ていたとすれば、カイドウはウルティをヤマトよりも娘の様に思っているかもしれないのです。
その理由は、カイドウは意外に女に甘い(ただしおでんを名乗る娘ヤマトに甘くない)という事です。
男の部下を鬼ヶ島へスマッシュホームランをしたのに、自分へため口をするウルティに一切怒っていないのです。
まるで、ウルティを昔からその性格を知っている様な扱い方なのです。
もしかすると、カイドウはヤマトが自称おでんを名乗らず、娘らしく振舞っていたら手錠もしなかったのでしょう。カイドウが望んだ娘は男装せず、ため口をしながらも、慕っているウルティの方だったのでないでしょうか?