ワンピースの物語の結末というのは、
読者の方なら誰しも思い描いたことがあるだろう。
・海賊王って一体何なのか?
・ワンピースの存在とは・・・
・ラフテルには何があるのか・・・
・空白の100年には何があったのか・・・
・天竜人は最後どうなるのか・・・
様々な謎が残ってはいるが、これらの謎が全て語られた上で、
壮大なラストシーンが描かれるものと思われます。
このラストシーンというのは間違いなく、
ルフィが思い描いている「夢の果て」と密接につながっているはずです。
夢の果て・・・
言葉にすると非常に深い意味が含まれていると思われます。
今回このルフィの夢の果てについて、詳しく考察をしていきます。
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ルフィの夢の果てとは一体何なのか?
ルフィの夢は海賊王になること。
これは第一話からルフィが一貫して言い続けていることですね。
「海賊王になる!」
この言葉通りにルフィが海賊王になるための準備が着々と進んでいるように見えますが、
今回お伝えしたいのが、ルフィの夢の”果て”について。
これはワンピースを知っている読者なら誰でも知っている常識。
では、上記の“夢の果て”とは何か?
夢ではないのです。夢の果てなのです。
これは全ての願望成就を実現する上でものすごく重要な考えです。
例えば、「1億円欲しい!」と短絡的に願ったとしても、
それが手に入ることはまずないのが、
単に漠然と「一億円欲しい!」と思っているからなのです。
そうではなく、本気で「一億円欲しい!」と願うのだったら、
一億円手に入った、その先(つまり、”果て”)を見据えてのこと。
一億円手に入ったら、高級車を買って、
高速道路を快適に走って、優雅に自宅に到着して、
タワーマンションの高層階でゆっくりシャンパンを片手に
リラックスして過ごす・・・
といったところまで、自分が1億円稼いだその先を思い描いて、
願望成就をしているからこそ、その願いというのは叶っていく・・・
ルフィも同様です。
海賊王になったその”先”をなんと7歳の頃からずっとイメージしているということ・・・
つまり、この言葉から分かるのは、ルフィが海賊王になった後の事を語っているという事になる。
原作ではルフィ、エース、サボの三人はそれぞれの夢を語っており、
エース「大海賊になって、周りの人間を見返す。」
サボ「自分の目で見た世界を本としてこの世に出す。」
と二人の兄はそれぞれの夢を語った。
しかし、最後のルフィが自身の夢を語る際に、どんな発言したのか描かれておらず、
エースとサボがルフィの夢を聞いた後の反応だけが描かれている。
その反応が、
エース
「お前は…何を言い出 すかと思えば。」
サボ
「アハハ!!面白れぇなルフィ。」
「俺、お前の未来が楽しみだ!!」
エースはあまり共感出来ない反応を示したが、
対してサボは大笑いし、
ルフィの未来が楽しみだと、
エースよりも肯定的な反応を見せた。
何故、尾田っちが此処でルフィの夢をぼかしたのか、
それは情報を隠す事で“ルフィの夢の果て”なるものを盛り上げようとする事である。
人間は知っていた情報を開示されるよりも、
予測が出来ない情報を出した方がその分興奮するからに他ならない。
では、ルフィは何と言ったのか?既出かもしれないが、
ルフィはこういったのではないだろうか?
ルフィ「俺は海賊になってこの世界の色んな奴らと友だちになって、
皆でデッケェ宴をするんだッ!!!」
海賊になり、世界中の人間と友だちになる。
そして、友とドでかい宴をする。
これが7歳の時からルフィが叶えたい“夢の果て”ではないだろうか?
このセリフに対する根拠を示していく。
ルフィの夢の果ての根拠:エースとサボの反応
ルフィの夢の果てが「世界中の友だちとデカい宴をする事。」として、
二人の反応を分析してみよう。
先ず、夢の果ての内容に海賊王になるというのが入ってないのは、
ルフィは常日頃から二人の兄に海賊王になりたいと言っているからだと考えている。
故にエースとサボは海賊王についてこの時言及していない。
つまり、二人からすれば知っている情報だからだ。
となると、この時ルフィの“夢の果て”とは、
それまで二人の兄に言ったことが無かった“秘めていた夢”だと考えられるのだ。
そして、二人の兄の反応。
サボはルフィが世界中の人間と友だちになって、
宴がしたいという事に面白いと言い、「俺お前の未来が楽しみだ!!」というのは、
サボ自身もルフィのいう宴に参加したいと考えて、
期待に胸を膨らませ未来が楽しみであるのではないだろうか?
対して、エースは「お前は何を言い出すかと思えば。」と笑うサボに対して、
理解というか共感出来ないといったニュアンスだ。
つまり、「世界中の人間と友だちになり、
一緒に宴をする」という事に共感出来ないという事になる。
これは何故か、それはエースは当時の10歳という年齢に至るまで、
ロジャーに息子がいたらと周りの人間から聞きまわり、
「生きていたら、火あぶりにして世界中の人間に見せてやる。」
「“生まれてきてすいません、この世のゴミなのに”と言わせてやる。」
と酷い罵詈雑言を聞かされた。
これを聞き続けたエースはもし自分の正体がバレたら、
だれも仲良くしてくれないどころか、
有無を言わせず殺されると思い、街の人間へ暴力を振るった。
暴挙に出る幼いエースに対して、
周りの人間は叱るが、エースはこういっている。
エース「うるせェ!!もっと力があったら街の人間殺してやるところだッ!!」と
非常に物騒すぎる言葉を吐いた。
つまり、当時のエースにとって世間の人間は「友だちどころか、皆敵」でしかない。
だからこそ、エースは「世間にどれだけ嫌われようが、
俺の存在を認めさせ、大海賊になって見返してやるッ!!」
と認められないなら俺を認めさせてやると夢を叶った。
そんな自分と違って弟であるルフィは世間=世界の人間と仲良くして、
宴をしたいという。
自分の夢と違い、ルフィの夢の果ては逆であった。敵対するよりも仲良くしたいという気持ちの表れ。
それが当時の10歳のエースには共感できなかった。
何故なら、この時のエースはサボとルフィに心を許してはいるが、
世間に心を許してはいなかったのだ。
とはいえ、心を許した弟が夢を語った事に対して、
否定的な言葉は吐かず、
「お前は何を言い出すかと思えば。」
と反応に困る言葉を言ったのではないだろうか。
以上がエースやサボの反応から考えた私の考察である。