919話では、モモの助、錦えもん達が過去20年前の人間だということが判明しました。
(そこから現代にたどり着いたということを匂わせる形です)
そして、今回はさらに衝撃の事実が発覚します。
トキトキの能力者である、奥方「トキ」が存在しており、
はるか昔の過去から生きていたという噂も・・・
・モモの助、錦えもんはどうやって現代に来たのか?
・トキトキの実の能力はどんな能力なのか?
・おでん城で20年前に一体何が起こったのか?
920話、見ていきましょう。
20年前にワノ国で一体何があったのか?
前回までのあらすじはこちら。
→919話でワノ国に20年前に何があったか明らかに・・・
「ここには「おでん城」という城があったがこれは異名で…本当は「九里城」」
「九里の人々はおでん様が心底好きで―――そう呼んだのだ」
「ワノ国」九里おでん城跡では、錦えもんがこれまでのいきさつを話そうとしていた。
また、ルフィが錦えもんのいう「おでん様」がモモの助の父親だということに気が付くと、
モモの助もそれを嬉しそうに肯定、錦えもんも言葉を続けた。
それによると、若かれし頃のおでんは破天荒で暴力沙汰を繰り返し、当時のワノ国の将軍であった光月スキヤキの子息でありながらも「花の都」を追放されてしまったという。
また、現在の「九里」は、当時各地から追放された罪人や浪人たちが徒党を組み、毎日のように血が流れる無法地帯で、将軍家にもさじを投げられたほどの危険地帯であった場所だというのだ。
そうした当時の「九里」に、若きおでんは一人で乗り込み、そのエリアで最も危険な男である「アシュラ童子」と激突、ついには全てのならず者たちをまとめ上げたのである。
そして、ならず者たちに働くことを覚えさせ街を築き、城を建て人々のために「桃源農園」を作り、活気のあり笑いの絶えない郷を作り上げた。
これにより、将軍スキヤキから「九里大名」の地位を賜ったという。おでん、齢20の頃であった。
「河を作り舟場を作り郷を繋ぎ人を繋いだ」
「おでん様の口癖はこうだ「窮屈でござる!!」」
錦えもんは、誇らしげにルフィ達におでんの偉業を語るのであった。
こうして、錦えもんがおでんの偉業について語っている時、街から離れた場所ではゾロがトラを倒し、刀を鞘に納めているところであった。
「どこへ行きやがった」と言って、ルフィ達とはぐれてしまったことを狗ちよのせいにするゾロは、船着き場を見つけ船に乗ろうとしていた。
その頃、九里のある海岸では、モコモ公国の昼の王でありミンク族のイヌアラシ公爵が、かつてのおでん将軍に思いを馳せていた。
「おでん様にはワノ国はちと狭すぎた」と言っては、おでん将軍を懐かしむ。
また、かつてこの海岸に自身とネコマムシが流れ着いた時、住人から“喋る犬”と“喋る猫”とからかわれる中、おでん将軍が住民を一喝、「偉業を恐れるは己の無知ゆえ」と庇ってくれたことを思い出していた。
「彼こそ我らの恩人…!!」
「彼こそ英雄…!!彼こそ主だった……!!!」
懐かしい思い出に、涙ぐむイヌアラシ公爵。
「白髭を魅了し」
「ロジャーが惚れ込んだ」
「ワノ国の“侍”…!!」
こう言っては、心中で思いを馳せるのであった。
こうして、イヌアラシ公爵がおでん将軍との思い出に浸っていた頃、おでん城跡では錦えもんの話を聞いているルフィ達の笑いと驚きの声が響き渡っていた。
しかし、オロチがワノ国に襲来した時の話になると、ルフィ達の表情は一転し、一同は愕然とする。
「―――で」
「おでんはどうなったんだよ」
そう言うルフィに、錦えもんはこう答えた。
「みんなに愛されたおでん様は……!!」
「―――そのまま「花の都」にて…罪人としてなくなり申した」
こうした錦えもんの返事に、ルフィは「冗談じゃねェ」と怒りをあらわにする。
すると、錦えもんは涙ながらに言葉を続けた。
「その壮絶なるおでん様の死は20年前の昔話だが……!!」
「我らにとってはほんの数か月前の出来事」
「「光月おでん」という勇ましき武士の最後!!」
「まだ鮮烈にまぶたに浮かび申す……!!!」
こうした事実に、モモの助やキャロットまたチョッパーやブルックが衝撃と怒りで涙し、サンジは錦えもんたちが生き残れたことに感心する。
対し、それに錦えもんは無我夢中で逃げ一心不乱におでん城を目指したと付け加えた。
また、逃げる途中でいがみ合うイヌアラシとネコマムシを見つけるも、オロチによって掴まってしまったことから二人を諦めたことや、その理由として次に命を狙われる城にいたモモの助を助けるためであったことを明かす。
「―――しかしすでにカイドウの手が回り城は燃えていた」
そう、錦えもんたちの必死の思いもかなわず、城は燃え盛っていた。
炎に包まれる城内にいたのは、モモの助とその妹の日和そして母親の光月トキ。
当時、光月トキには“はるか遠い過去に生まれた”という噂があった。
「人は決して過去には戻れないけれど…」
「未来へなら行けるのよ……!!」
光月トキは「トキトキの実」の能力者で、未来を旅しその果てに光月おでんと出会ったという。
このことからトキは、錦えもんたちに「ここに残る」と伝えた。
「止められましょうか…!!」
自身の能力やこれまでについて話すトキに、錦えもん涙を浮かべこう誓う。
「もし真に未来へ飛んだならば」
「我ら必ずやおでん様の想いを遂げ」
「オロチを!!カイドウを!!討ち果たし」「きっとこの国を「開国」してみせまする!!」
「モモの助を…頼みました」
この言葉と共に、送り出された錦えもん達。
空から勢いよく廃屋に落ちた錦えもん達5人は、自身たちを包んでいた炎や城またトキの姿が突然消えたことに驚き辺りを見渡した。
すると、そうした錦えもんの目に入ったのは、なんと自分たちの名が記された墓であった。
「ここは20年後のワノ国でござる」
そう口にする錦えもんの表情は、驚きに満ちていた。
その後、錦えもんたちは自分たちにとって未知の世界である現在のワノ国を知るため、国中を歩き回ったと言う。
その結果、現在のワノ国は工場が建ち並びそこからは煙が立ち込め、飲み水も口にできず食料も制限されているという、自分たちの時代の面影はこれっぽちも残っていない状況が明らかとなる。
さらに、大名や郷は滅ぼされ大地も枯れ果てており、光月の名も蔑まされていることから、妥当オロチは絶望的だとも思われた。
だがその時、錦えもんたちの前に数人の男たちが姿を現したのだ。
男たちによると、彼らは元“希美(キビ)”の旗本である地武えもんとその仲間たちで、モモの助の母親であるトキの言葉を信じ、20年間錦えもんたちを待ち続けてきたと言う。
これにモモの助は驚くが、地武えもんは言葉を続けた。
それによると、トキの最後の言葉は20年後の光月家の復讐を示していたものの半信半疑でいたという。
その上で、錦えもん達“赤鞘九人男”の遺体が見つからなかったことから、万が一20年後に錦えもん達が姿を現しオロチを討ってくれるならばと備えており、その証として戦う意思のある者は自身の足首に「月の印」を刻んでいるというのだ。
対し、これを聞いた錦えもんは諦めかけていた事もあり、20年後の世界にも味方がいたことに驚く。
その上で、地武えもんに「人は知られないように集めなくてはならない」と念を押し、地武えもんもこれを了承した。
こうして味方に出会えた錦えもんは、菊に敵側の調査を任せ残りの4人は味方探しの旅に出たという。
しかしその道中で、出国も罪に問われるこの国で見つかってしまったことから追われる身となってしまい、航海術もないことから遭難し船は大破、これにより雷ぞうと離別。
また、やっとの思いで辿り着いた「ドレスローザ」でも、カイドウと繋がっていたドフラミンゴに追われることになった上に、謎の船に乗ってしまったモモの助を追いかける際にカン十郎と離れ離れに。
さらに、辿り着いた「パンクハザード」でもドフラミンゴの手先であったシーザーが関わる中、今は味方となったローに斬られ絶体絶命のところルフィ達に出会ったと錦えもんは話す。
こうした錦えもんの話に、ルフィはドラゴンの姿となったモモの助との出会いや、雷ゾウとナミのやり取りを思い浮かべていた。
錦えもんもこれまでのいきさつをルフィ達に話し終え、それらを「危機の連続の中で出会いに恵まれたこと」や、「オロチの軍勢が錦えもん達を名指しにしながらもこの事態を完全に信じていないことが救い」だと指摘する。
また、「未だ自分たちが指名手配されていないこと」や「再入国したことも気づかれていない」ことも併せて挙げた。
ここで菊が「同志である拙者も気づかなかった」と口にする。すると、錦えもんがこれに謝罪、サンジはそれに「イチャつくな」と突っ込む。
「この戦いはバレぬことが重要でござる!!」
錦えもんがこのように言うと、ルフィはこれを了承した。
そこで、錦えもんが現状でのこちら側のメンバーを整理する。
ルフィ率いる「麦わらの一味」、ロー率いる「ハートの海賊団」、ミンク族であるイヌアラシ率いる「銃士隊」、そして現在探し続けている反乱の意思を持つ侍たち、理想の戦力は5千人だ。
その上で、錦えもんは自分たちの目的は戦ではなく、極秘裏にことを進め確実に大将の首を取ることだと強調した。
「時は2週間後!!“火祭りの夜”」
「カイドウの住む「鬼ヶ島」へ」
「「討入り」を決行致す!!!」
20年の刻を超え、打倒オロチに向け役者はそろい、
決戦の時を迎えようとしていた。