アシュラ童子の二つの伏線
やはりという事でしたが、アシュラ童子がまさかの自己犠牲をするとは思えませんでした。
そもそも、アシュラ童子自身は、光月家ではなく、光月おでんを慕っていると本人の発言だったのです。
なのに、彼は最期は光月をこれ以上をはずかしめるなと言い、この世を去ってしまいます。
確実にあの描写はアシュラ童子は死んだと管理人は思っています。故にペルーが何故生きていたのか、不思議です。
しかし、アシュラ童子が死亡するのは管理人も以前の考察で上げていましたが、彼に関していえば、死を匂わせる伏線があったのです。
光月ではなく、おでんを慕ったアシュラ童子
そもそも、アシュラ童子は生まれた時から、治安の悪い九里で生きてきた男で、齢18歳で、山賊の頭になっていました。
言うなれば、アシュラ童子が信頼していたのは、己の力と力で認めさせてきた部下達でした。
ところが、おでんに負けた事で、自分が積み立ててきた強さが崩れ、死ぬことに未練がありません。
なのに、おでんは九里に城を立てると宣言し、20にして、九里大名に昇り詰めました。
その功績はそれまで、血と暴虐の世界で生きるしかなかったアシュラ童子に光明の光が差し込んできたといえます。
まず間違いなく、アシュラ童子は他の赤鞘九人男と違い、戦って負けを認めさせられ、おでんの軍門に下った男なのは間違いありません。
それがおでんとその部下達と関わることで、自分なりの居場所を手に入れたのです。
20年ですっかり、やつれていた
しかし、20年前のおでん処刑により、アシュラ童子は生き延びたものの、急に消えた錦えもんが二十年後に再びワノ国に現れるという状況に陥ってしまいます。
この時点で、アシュラ童子は相当参っていたといえます。
おでんが死んだ今、アシュラ童子としては、従うべき主君がいなくなったという事なんです、
他の誰でもない自分に黒星を付けたおでんこそが、自分が従うべき男なのです。
故に、アシュラ童子は20年間、部下達の特攻を止めれず、集めた船も動かせず、只一日を過ごす自堕落な日々に身を堕としてしまいました。
最も二十年後に未練がない人物
なにより、特筆すべきがおでん自身が死んだ今、最もこの世に未練がないのが、アシュラ童子なのです。
彼はいうなれば、おでんに人生を救われた身であり、アシュラ童子はおでんと出会わなければそのまま只、恐怖と殺戮にまみれた九里で無惨な最期を遂げていたでしょう。
誰が考えても、盗賊団の首領についていても、老いたり、寝込みを襲われたら、一たまりもありません。
つまり、九里がおでんによって統治されなければ、アシュラ童子は痛い死に方をしていたかもしれないのです。
なにより、管理人としては、おでんの遺言がそのまま、ある種ストレスになったのでしょう。
ワノ国を開国せよとお達しを受けても、錦えもんは未来に飛び、トキも死に、かつての仲間や護るべき主君たちがいなくなったアシュラ童子は憂鬱な日々を送るしかありませんでした。
しかし、今その人生は仲間を危機から救うという自己犠牲により、生涯を閉じたのです。