ワンピース969話「バカ殿」について、
詳細なあらすじ・ネタバレと考察をお伝えしていきます。
いくつかすでに気になる考察ができており、
久々に登場した黒炭オロチの謎が明らかになってきます。
オロチのバックに、
・バリバリの実の能力者
・マネマネの実の能力者
の2人(祖父母?と思われる人物)がいたことが発覚し、
(それぞれ後に、バルトロメオ、ボンクレーが継承)
オロチがどうやって将軍にまで上り詰めたのか、
わかりました。
それを知り、ショックを受けるオロチと、
報復を決意します。
「バカ殿」と呼ばれるようになった所以について、
考察していきます。
969話ネタバレ「バカ殿」でおでんとオロチの狙いが明らかに!
前回までのあらすじはこちら。
⇛958話でおでんが海賊王の船で行った偉業が明らかに!
怒りとともに「花の都」まで駆け抜け、
いざオロチに斬りかかろうというおでん。
これにオロチは、叫び声をあげながら恐怖でのけぞります。
また、斬りかかってくるおでんに待つよう再度言いますが、
おでんは止まる気配がありません。
その脳裏には、自分を諌めるトキの姿がありました。
ですが、それはなおおでんの怒りを燃え上がらせます。
「オロチィ~~~~~~~~!!!」
そうオロチの名を叫んでは、オロチに切りかかるおでん。
対し、止まる様子のないおでんにオロチは、ただ叫び声をあげます。
そうした中、ついにおでんの刃がオロチに振り下ろされ、
誰もがオロチの死を確信していました。
しかし、おでんは妙な手ごたえを感じます。
また、目の前ではオロチが手をかざしており、
その近くでは琵琶を持った老人が人差し指と中指をクロスさせ構えていました。
直後、おでんの刃は目の前を一閃しますが、おでんの刀はオロチを捕らえることはできず、
代わりに遠くにあるふすまが見るも無残な姿となります。
これにオロチは息を切らせおでんを見つめ、おでんも今起きたことを理解できず驚いていましたが、
変わらずオロチに向かい斬りつけ続けていました。
しかし、おでんの刃は一向にオロチへ届く気配がありません。
そこでおでんは、自分の刃を阻む目に見えない何かに斬りかかりつつ、オロチに出てくるよう怒鳴ります。
対し、これにオロチがおびえたような声をあげると、
琵琶法師である黒炭せみ丸が「バリバリの術」を信じ慌てないようオロチに言うのです。
次いで、バリアは何者も寄せ付けないというと、
「お前の強さは無意味」だとおでんに言います。
さらに、オロチを挟んで反対のふすまからは黒炭ひぐらしという老婆が姿を現し、
悪魔の実の言葉を口にします。
そう、今おでんの行く手を阻む目に見えない壁は黒炭せみ丸の能力によるものだったのです。
ヒグラシの言葉に、おでんもこの事実に気がつけば、
オロチもそれを認め「誰にもおれを殺せん」と得意げに言い放つのでした。
一方、都の城下町では人々が、突然姿を現したおでんに期待を寄せていました。
それはもちろん、カイドウやオロチを追い出してくれるだろうという期待で、
人々は城中にいるおでんの名を呼び歓声に沸くのでした。
このような中、城中のおでんはというと、なお両手には刀を持ちつつも、
オロチが先代のスキヤキに推薦され
「将軍代理」となったといういきさつを指摘していました。
すると、その上でおでんは「すぐに将軍の座をおれに渡せ」とオロチに要求したのです。
続けて、当初自分はそういったものになる気はなかったことを口にすると、
「お前よりはいくらかマシな国にできる」と断言したおでん。
すると、どういうことでしょう。
オロチは不気味に笑うと、「あの言葉に「将軍」の権力はない」と言うのです。
これに、おでんが驚くと、なんとそのおでんの目の前には死んだはずのスキヤキの姿が現れ、さらにおでんを驚かせます。
しかし、そのつかの間、スキヤキの姿はひぐらしの姿へと変わり、おでんは驚きを重ねました。
そうしたおでんにオロチは、
「大名始めバカ共が信じたのは」
「この“マネマネの実”の力で化けたババー虚言だ」
と、オロチは自慢げに話します。
加えて、オロチは「国中がそれを信じおれに「将軍」の座を空けてくれた」と言うのです。
「―つまりお前と交替する義理はねェ」
「本物のスキヤキが何を考えてたかすら今となっちゃ」
冷や汗を流し、おでんを指さす手をふるえさせながらも、
オロチは不気味な笑みを浮かべては、おでんにこのように言います。
対し、これにおでんは父であるスキヤキが病で死んだのではないことを察すれば、
怒りをあらわにしました。
これをオロチは、笑顔で見つめます。
その日、城下では人々は光月家の帰還に沸き立っていました。
ですが、そうした人々の中へ、どこからか毒の矢が放たれます。
これにより住民の2人が負傷、吐血し失明してしまったのです。
そこで人々は慌てて屋内へと逃げますが、
その目に映ったのは曇り空に体をくねらせる一匹の巨大な龍でした。
かくして、破天荒な性格ながら「九里」の大名となり、海へと飛び出しては世界で指折りの海賊たちと肩を並べ、
何倍にも強くなり「ワノ国」へと帰ってきた男、光月おでん。
そうした天下無敵の光月おでんは、悪の力に苦しむ人々の救世主となるはずでした。
しかし、数時間後、城から出てきたおでんは、人々へ将軍の座を継いだことを知らせるのではなく、
そればかりかなんとオロチのいる城の前で裸になりおどけて見せたのです。
これに、オロチやカイドウの部下は大笑いし、
おでんはその後わずかな賃金を貰いその場を後にしました。
守天閣では、オロチ達3人がそのさまを眺め大笑いしています。
「ワノ国」の正当な世継ぎである光月おでんの帰還は、
国中の最後の希望でした。
ですが、それは見事に裏切られ人々はひどく失望し、その感情はいつしか怒りへと変わっていったのです。
子どもたちの間でも、おでんをバカにするようなはやり歌が歌われました。
その後も、おでんは毎週都にやってきては城の前でおどけ、わずかな金とともに帰っていきます。
雨の日も風の日も、はたまた雪の日も。
それは続けられました。
「頼みますおでん様!!」
このような中、「九里」の城内では菊の丞がおでんに本当のことを言うよう懇願していました。
また、これにおでんが自分の仕事は毎週都で踊って金を貰うことだというと、
錦えもんやイヌアラシもオロチと何を話したのか尋ね、
最後まで信じていた「九里」の人々まで愛想をつかしてしまったことを告げます。
ですが、おでんはかわらず刀の手入れを続けるのでした。
錦えもんたちの言葉通り、おでんの都での奇行は「九里」にも伝わり、
町を歩けば子供に石を投げられ、
その親からは「なってはいけない大人」という烙印を押されてしまいます。
また、男たちからは「オロチの犬になるくらいなら武士として腹を切れ」
というヤジが飛ばされたのでした。
そうして、月日が流れ1年が経ち、
将軍オロチより受け取った海外の新聞を受け取ったおでんは、
海岸をひたすら走っては大泣きし、笑いまた泣いていました。
丁度、世界は「海賊王ゴールド・ロジャー」の処刑に沸き出っており、
彼の遺した「ひとつなぎの大秘宝」を求め、あらゆる人々が海へと乗り出しています。
「大海賊時代」の夜明けでした。
「ロジャー!!」
「すげェなお前は!!すげェ人生だ!!!」
このように言っては、新聞を眺め涙で顔をぐちゃぐちゃにするおでん。
そこには、本当の意味での笑顔があったのでした。
さらに刻は経ち、おでんの帰還から2年後、
「鈴後」にて「ゲッコー海賊団」と「百獣海賊団」による戦争が勃発、
それと同時に刀神リューマの墓荒らし事件が起きてしまいます。
こうした中、おでんはかわらず都で踊り続け、
そうした彼と接するのはともに笑い物となった家族と家臣またわずかな恩人たちのみとなりました。
ある日、おでんがトキに離縁を口にすると、
トキはそれを「それ冗談?怒るわよ!?」
と笑顔で返します。
さらに、家臣たちも「おでん様の裸踊りなんかおれ達昔から見てるもん」「珍しゅうもない」と、
キョトンとするおでんに答えました。
加えて、恩人である康イエも「バカでも殿とはホメすぎだ」と皮肉で笑いに変え、
ヒョウ五郎の妻もおでんを追い払おうとする部下をひっぱたき、おでんを迎え入れます。
家の中では、ヒョウ五郎が「オロチがしつこい」としては「あんなのの下につけるか」と煙をくゆらせ、
おでんはそうしたヒョウ五郎に無理だけはしないよう言葉をかけました。
また、その横ではヒョウ五郎の妻も煙をくゆらせ、
おでんの踊りが上手くなったと口にし、
それにおでんも「よしてくれ」と笑顔で返すのでした。
そうして、さらに3年4年と時が経ち、変わらずおでんは「花の都」の城の前で裸踊りし、
民にはうとまれていました。
そして、5年後のある日。
おでんのいる「九里」へ将軍オロチがやってきます。
「ここに新しい武器工場をいくつか建てたい」
「協力を頼むぞおでん」
おでんのもとを訪れたオロチは、おでんへそのように言います。
対し、おでんはというと、「船の方は…?カイドウと………」と、
下駄を顔に押し付けられながらも、固い笑顔でオロチに尋ねます。
ですが、それにオロチは「何の話だ?」と返すのみ、改めて武器工場の建設を宣言します。
これにおでんは内心驚きますが、オロチは言葉を続け驚くべき事実を口にします。
なんと、ヒョウ五郎を手に負えないのでカイドウに渡したと言うのです。
さらに、これによりヒョウ五郎は殺されるだろうということ、
またヒョウ五郎を連れ去る者に縋りついたヒョウ五郎の妻は殺されたと言います。
これにおでんは、さも絶望したような表情で脳裏にヒョウ五郎の妻を浮かべ、オロチの言葉を聞いていました。
「花の都」の裏の顔である「花のヒョウ五郎」が捕らえられた時、子分たちはそれに反発し16名も死亡してしまいます。
おでんは、思いもよらない知らせに血の気が引き、心臓は大きく脈打っていました。
家族と家臣が感じ取っていた通り、おでんはこの5年間1人で何かを背負い込んでいました。
しかし、オロチのこの知らせにより、偉大な侍の張り詰められていた糸は切れ、心配そうに自分を見つめるトキの目の前で大粒の涙を流します。
それとともに、これまで抑え込んでいた感情があふれ出てきました。
「カイドウを討つぞ!!!」
怒りとともに涙を流す主人に、家臣一同も笑顔で答えます。
「そのお言葉ずっと!!」
「お待ち申し上げておりました!!!」
桜散る春の温かい日差しの中、突然のことに驚きざわめく人々の目の前を、笠をかぶり刀を携える10人の男たちが都へ向かいその歩を進めます。
さて!!お立ち会い!!
これよりご覧いただきますは、「ワノ国」中が涙した光月おでん、一世一代の大騒動!!!
彼に拾われ武士となった九人の男が揃い踏み。
刻は夕刻、真紅に色づく太陽は戦い勇む男達を炎の様に赤く照らし、腰に差した刀も然り。
燃ゆる命を映しこむ。
人々は後にその強き忠誠心を尊び彼らを「赤鞘九人男」と呼んだ
敵はカイドウ、他に目もくれず。
行く道は悲しくも過去の話。
行きつく先は光月おでんの公開処刑。
後世に語り継がれる「伝説の一時間」まで、瞬きなき様お願い奉り候!!
おでん率いる九人の男たちは、これまでの屈辱と怒りとともに、
静かにカイドウのもとへと向かうのでした。
959話完了・・・
960話に続く!
959話ネタバレ考察!
●黒炭オロチと琵琶法師“黒炭蝉丸”と“黒炭ひぐらし”。三位一体の陰謀
おでんが悪党オロチへ愛刀を振り下ろす。
しかし、おでんの攻撃は防がれてしまった。
その防いだ人物はそれまで、琵琶を弾いていた爺。
通称、黒炭蝉丸。バリバリの実の能力者だ。
そして、あのニキョ婆は黒炭ひぐらし。
そう、この二人はオロチと同じ黒炭家の爺と婆であったのだ。
自身の攻撃を防がれてしまったことで、
オロチはそれまで生命の危機に瀕していたが、
また余裕を取り戻していた。
さらに、そこへスキヤキの姿で現れ、
おでんは父親が生きていたと思ったが、
それはひぐらしの変身であった。
そう、すでにおでんが攻めてきたとしても、
オロチはスキヤキ(偽)の推薦によって、
代行将軍になっていたのだ。
おでんはオロチが父親を死に追いやったと勘付くが、
時すでに遅し。
もし、ここでオロチを倒しても、
報復が始まるという。
いうなれば、オロチにとって町民は人質同然であり、
こちらが反撃に出れば、
カイドウの軍勢を相手どらないといけない。
●バカ殿と呼ばれても。
花の都率いるワノ国の人間は、
ずっとおでんの帰還を心待ちにしていた。
あの山の神の事件から今日に至るまで、
誰もがおでんを慕い愛していたのだ。
その勇猛果敢な侍が帰ってくれば、
オロチの支配は崩れ去ると思っていた。
実際に、おでんは帰ってきた。
多くの敵を蹴散らして、悪党オロチを討伐しに。
おでんの勝利に誰もが期待に馳せていた。
だが、彼らの期待はことどとく裏切られた。
オロチ討伐の為に、城へ駆けあがって数時間が立たぬうち、
おでんは降りてきた。
しかし、問題はおでんの様子であった。
ふんどしに手羽先が記された文字通り
“褌一丁”の姿で笑いながら踊っていた。
あっけに取られる町民。
爆笑するカイドウの部下たち。
おでんは踊り終えると、
オロチに頭をこすりつけながら、
金をもらっていた。
そこには、ワノ国随一の快男児の姿ではなく、
強者カイドウに恐れ、へりくだるバカ殿の姿があった。
●週一の褌踊りをして金を貰うのが俺の今の仕事だ。
今週もおでんは花の都に踊りにいく、
無精ひげを生やしかつての漲る気力がおでんにない。
その姿に錦えもんたちは大きく動揺した。
尊敬する君主の姿に戸惑いを隠せないが、
おでんは今日も踊りにいく。
「バカ殿」それが今のおでんの綽名だ。
おでん節で女を魅了し、
男を慕われた男の姿はない。
子供に平気で石を投げつけられても、笑顔。
誰もがおでんをバカにすることを戸惑わない。
だが、おでんの気持ちを察する人間がいた。
康イエ、ヒョウ五郎夫妻、トキ達だ。
彼らはおでんがバカ殿とバカにされようとも、
交流を絶とうとしなかった。
むしろ、不本意な踊りをやらされるおでんの気持ちを察して、
笑顔で受け入れてくれた。
彼らはオロチの行動を知っているからこそ、
おでんを見捨てなかったのだ。
トキは離縁せず、おでんはロジャーの訃報を知りながらも、
五年間踊り続けた。
そして、五年目。
●おでん決死の討ち入り
おでんが褌踊りを始めた理由は、
オロチに服従を誓わされたに過ぎなかった。
おでんがこのまま反撃に出れば、
オロチは忽ち人質を取るだろう。
言うなれば、おでんが従っているからこそ、いい気味とみたオロチ。
しかし、五年目にして、オロチは自らその約束を破る。
ついにワノ国を武器製造国家にすると宣言した。
それに反逆したヒョウ五郎親分一家を16人を皆殺し、
その妻を射殺した。
おでんは激怒した。五年間怒りを抑え、バカ殿になったあの日から感情がついに爆発した。
最早、オロチは完全に支配の手をやめはしない。
ついに五年間の服従をかなぐり捨て、おでんは決起に出た。
一刻の猶予もないおでんは赤鞘九人男を引き連れて、
花の都へ目指すのであった。
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